久留島武彦顕彰全国語りべ大会へ参加して

今年も玖珠町で行われた久留島武彦顕彰全国語りべ大会本選の参加が叶いました。
ひとえにご指導頂いた小堀先生のおかげです。ありがとうございます。
大会の感想をどうしてもお伝えしたくて、お手紙を書きました。

この大会は、小学生の部と一般の部に分かれます。
自然豊かな玖珠町で、小学生は5分程度、一般は7分程度のお話を「語る」大会です。
日本のアンデルセンと言われた久留島武彦氏を知ることができ、何よりも玖珠町の素晴らしを感じることが出来ます。
私がこの大会を知ったのは今から5年ほど前です。最初は本選出場も叶わず予選で落ちることもありましたが、本選に進むことができるようになった矢先にコロナ禍…。
テープ審査のみの時や、無観客での開催等もありましたが、そんな中でも毎年開催して下さる運営の方々には頭が下がるばかりでした。しかもこの大会は参加料が無料なのです。

「語る」ので「朗読」のように台本を持つことはできません。そうです。暗記です。
暗記が飛んでしまったら、そりゃもう大変です。想像しただけでびびります。
私も、7分も暗記できるの?と不安でしたが、練習すれば何とかなります…。
何とかなると思えるほど練習するんです…。この私が何とかなりましたから!

朗読とはまた違い、語りとは何なのか…それを学ぶこともできました。
この大会には何度も参加をされている語りのプロもいらっしゃいます。
その方々の息遣いや、語りに対しての熱い思いを知ることもできました。
私は素人なので、到底真似できないですが、語りには語りの型があるんだな…と非常に勉強になりました。
そんな中で強く感じたことは、朗読と同じで、語りもまた正解はなく、聞いて下さる方それぞれに何かが残ればそれでいいのではないかと思ったことです。
そう思えたのは、私のお話を「楽しかった!また聞かせてね!おねぇちゃん!」と、聞いてくれた子供たちに言われた時です。
忖度を知らぬ子供に言われる言葉は、こんなに嬉しいことなのだ…と泣きそうになった瞬間でした。
あ、もちろん「おねえちゃん!」というところが一番沁みましたが…笑

おかげさまで久留島武彦賞を頂くことができましたが、私が聞く限り、どの方が受賞されてもおかしくない大会でありました。それくらい皆さんの語りはそれぞれ面白くて個性があり、優劣をつけなければならない審査員の方々は難しいだろうな…と感じました。

特に小学生の部は「みんな満点だよ。」と思うほど健気で一生懸命で聞いているこちらが、パワーをもらえるほどの感動がありました。自分が小学生時代、あんなに表情豊かに、しかも堂々と表現できるか?…と感心しまくりでした。
そしてこの大会の司会進行は、玖珠町放送部の高校生で、かつて放送部だった私は、彼女たちのあまりのまぶしさに大会後「一緒に写真を撮ろう!」と言って半ば強引に写真を撮りまくりました。相当練習したんだろうな…と伝わる素晴らしい司会でした。

また大会後に行われたレセプションもとても温かく、玖珠町のお母さん達手作りの郷土料理がたくさん並ぶ食事会や、朝採れ新鮮野菜、玖珠町特産の原木シイタケもぎ取り体験等、心のこもった「おもてなし」に胸がいっぱいになりました。
食事は何を食べても美味しくて、ひたすら「幸せ~♪」とつぶやいていました。
しかもこれを準備してくれたお母さん達は、私たちの語りの合間に、料理の仕上げをしたり、審査の時間に、とてもキレイな声の合唱まで披露してくれたんです。
レセプションの最後に一緒に歌った「明日があるさ」は、一生忘れることのできない楽しいひとときとなりました。みんなで歌うってこんなに心が洗われるのかと認識しました。
ここまで参加者ファーストの大会は見たことも経験したこともありません。
そして一度参加すれば間違いなくこの玖珠町のファンになること間違いなしだと思います。
私にとっての玖珠町は仕事柄「演習場がある町」だったのですが、この大会に参加するようになって「童話を語り継ぎ人を愛する町」に変わりました。
大分県というと、みなさん別府や湯布院へ行きがちですが、玖珠町にもたくさん温泉があります。お水も美味しいし、人もあたたかい。
自衛隊車両も普通に町中を走っています♪戦車やMCVも見れますよ。見慣れている私が「おお!」と叫ぶくらい普通に走っています。

久留島武彦賞を頂いてしまうと、もうこの大会にエントリーすることはかないません。
しかし今後はこの大会の素晴らしさと、語りの楽しさ、玖珠町のPRをしたいです。
迷っている方がいたら、是非エントリーしてみてください。来年も開催予定とのこと。
最初はテープ審査だから暗記はあとからでも大丈夫です!
語りの型なんて関係ないです。まずはチャレンジする…。これが一番だと思います。
私はチャレンジしてよかったと心から思います。
そして応援して下さり、的確な指導をして下さった小堀先生に改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

令和6年8月11日    須藤 えりか